「この歯は数年前に治療したから、もう大丈夫」
そう思っていたのに、ある日レントゲンやCTを撮ってみたら…実は再びむし歯が進行していた。
そんなケースは、決して珍しくありません。
実際に当院でも、他院で以前にむし歯治療を受けた歯に痛みも違和感もなかったにも関わらず、CT検査で根の先に大きな黒い影が見つかり、根管治療が必要になった症例があります。
👉【むし歯治療したはずの歯に起きていたこと】痛みもない奥歯の診断結果
では、なぜ「しっかり治療したはずの歯」が再び悪くなってしまうのでしょうか?
今回は、むし歯治療をした歯が再度むし歯になったり、根管治療が必要になったりする代表的な6つの理由をご紹介します。
1. むし歯が残っていた
以前治療を受けた歯でも、奥深くに小さなむし歯が取りきれずに残っていた場合、何年もかけてじわじわと悪化することがあります。痛みがないまま進行して、ある日突然、大きな問題として現れることがあります。
🔍注意すべき場所
- 歯と歯の間
- 歯ぐきの中(歯肉縁下)
2. 詰め物と歯の間に隙間があった(マージンギャップ)
詰め物と歯の境目にわずかなすき間ができていると、そこから細菌や汚れが入り込み再びむし歯になることがあります。最初は目に見えないほどの小さな段差でも、放っておくと大きなむし歯につながる可能性があります。
🔍原因になりやすいこと
- CR(コンポジットレジン=歯科用プラスチック)の劣化
- 接着不良
- 研磨不足など
3. 詰め物のまわりにできるむし歯(二次カリエス)
詰め物そのものは問題がなくても、その周りの歯磨きがきちんとできていないと、再びむし歯ができることがあります。特に奥歯や歯と歯の間など、歯ブラシが届きにくい部分は要注意です。
✅よくあるパターン
「もう治したから大丈夫」と安心してセルフケアが雑になる
4. 歯ぎしり・食いしばり
歯ぎしりをよくしていたり、噛む力が強かったりすると、歯や詰め物に目には見えないほどの細かいヒビ(マイクロクラック)が入ることがあります。そこから細菌が入り込み、中でむし歯が広がっていくことがあります。
🔍こんな時は歯医者さんを受診しましょう
- 詰め物が突然外れた
- 欠けた、しみるなどの違和感がある
✅予防策:ナイトガードの使用などで噛む力を分散させることができます。
5. 詰め物の接着がうまくいっていなかった
歯に詰め物をくっつける時、唾液が入り込むと接着力が弱くなり、剥がれたりすき間ができやすくなったりします。
💡当院では
ラバーダム(ゴム製のシート)を使用して唾液などの影響を受けないように丁寧に治療を行っています。
6. 神経の近くまでむし歯が進んでいた
治療当時には神経を残せた歯でも、実はギリギリまでむし歯が進んでいて、数年後に神経がダメになってしまうことがあります。この場合、痛みがないまま進行することも多く、気づいたときには根の先まで感染が広がっていることもあります。
🔍CT撮影でより正確に診断
レントゲンだけでは見えにくい歯の内部の状態も、CTを撮ることで3次元的に確認することができます。
まとめ
「痛くないから大丈夫」「昔治療したから安心」と思っていても、歯の内部では静かに病気が進行していることがあります。
とくに、奥歯は見えにくく、歯と歯の間や歯ぐきの下はセルフチェックが難しい部位です。
過去に治療を受けた歯こそ、定期的なチェックとCTによる精密診断が重要です。
「昔治療した歯が心配」「最近チェックしていない」そんな方は、ぜひ一度ご相談ください。
当院ではCT診断やマイクロスコープを活用した精密な根管治療を、すべて自由診療にて行っています。
治療費用について詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
👉 治療の費用についてはこちら
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