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お知らせ

カテゴリ: 副院長 倉本先生

副院長の倉本先生の研究について3

 前回、歯根の周囲の炎症について簡単に説明しましたが、今回は歯科で使用される材料がどのように細胞レベルへ影響を与えるかの研究のお話をしたいと思います。

 歯科材料や根管内をキレイにする洗浄材などは、まずIn Vitro(試験管内での試験)で細胞などへの影響を調査します。この試験は基本的には一種類の細胞への影響を調べます。私が主に調査していたのは炎症を司る細胞です。その細胞は周囲の環境によって遺伝子レベルまたはタンパク質レベルでサイトカインと呼ばれるメディエーターなどを産生し、周囲の細胞へ情報を伝えます。それが身体を攻撃する状況の場合、炎症性メディエーターを産生します。歯科で用いる材料などの細胞への毒性を調査する際には、この炎症性メディエーターの発現する推移を観察する必要があります。

 しかし、一つの細胞での調査でその材料の影響が全て分かるわけではありません。

 様々な細胞で調査した後、In Vivo(生体内での実験)で実験動物の生体内に適用した際の影響を調査します。ここでは、In Vitroで調査した内容を踏まえて実験を行なっていきます。

 細かい部分はかなり省略しましたが、このような流れで世界中の研究者達が新しい材料が出る度に研究を重ねて、臨床的に効果があり、なおかつ生体に悪影響がないかを調査し、論文として発表しています。

 専門医として臨床に携わっている間はこのような論文にも目を通して、より良い医療を提供できるよう努めております。

 今回は臨床的な話でないですが、私達がどのように材料を選択しているかの一端をお話しさせていただきました。

根管治療専門医による精密根管治療【坂上デンタルオフィス】

日付:  カテゴリ:副院長 倉本先生

副院長の倉本先生の研究について2

 私が大学で研究していた内容は以前の記事で紹介させていただきましたが、歯内療法(根管治療)で使う材料の炎症抑制効果についての研究をしていました。なので、今回は歯根周囲で起こっている炎症についてのお話をさせていただきます。

 根管治療と聞いて思い浮かべるのは、むし歯などの刺激によって炎症を起こした歯の神経を取ったり、あるいは以前に歯の神経を取った歯が細菌に感染して根の先に膿ができた場合の再治療だと思います。今回は根の先が膿んでいると言われた時に、なぜそのような状態になってしまい、実際に歯根の周囲でなにが起こっているのかを簡単に説明したいと思います。

 根の先が膿んでいるとレントゲン写真で歯根の先やその周囲が黒く見えてきます。黒く見えている部分は骨が溶けている部分です。この時レントゲン写真で黒い影を治す治療と説明を受けていると思いますが、実際には根管から膿を掻き出したりはしません。骨を溶かして膿を溜めている原因を排除しないと再発してしまうからです。その原因となっているのは歯の細菌感染によるものなので、歯の中で繁殖している細菌を出来る限り取り除き、生体の免疫で治せるようにするのが大まかな流れです。

 元々、膿とは生体の免疫系の細胞と細菌あるいは細菌が出す毒素が戦うことによって出来る細胞などの死骸なのです。細菌との戦い、すなわち炎症が長い期間続くことによって、根の先の膿は大きくなります。慢性的に長期間続いている炎症は症状が出にくく、慢性炎症が急性化することによって初めて激しい痛みや腫れといった症状を自覚します。根管治療によって細菌の排除を完璧に出来れば理想的ではありますが、完璧に排除する為には歯そのもの自体を排除してしまうのが確実です。しかし、感染した歯全てを抜歯するのは現実的ではありません。

 膿を抱えている歯でも残す方法があります。それが根管治療です。膿を抱えている歯を抜歯せずに歯の内の細菌を可能な限り取り除き、ご自身の免疫力で膿が治るのを促し、ご自身の歯で食事ができるようにするのが、根管治療です。我々が日々行なっている根管治療とは、いかに根管内を無菌的な環境に近付けられるか、それによって生体の治癒を促す手助けをする事なのです。特に歯内療法専門医である我々は様々な症例を診療してきているので、その経験を活かし、より歯を残す手助けが出来るかもしれません。

 この記事で、ご自身の身体の中で何が起こっており、根管治療とは何を目的に行っているのかが少しでもご理解いただければ幸いです。

根管治療専門医による精密根管治療【坂上デンタルオフィス】

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