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タグアーカイブ: 世田谷区

【大きな銀歯で再治療困難と言われた歯】CTで黒い影を確認、8年後も良好に経過

世田谷区・二子玉川で根管治療を専門に行っている坂上デンタルオフィスの坂上斉です。

今回ご紹介するのは、「大きな銀歯が入っているため再治療は難しい」と他院で言われた歯に対して、外科処置を行わず根管治療のみで改善が得られた症例です。

「再治療はできないと言われたけど、本当に歯を残すことは無理なの?」

そんな不安を抱えている方にとって、希望を感じていただける症例かもしれません。


初診時の状態:腫れとウミが出た歯、大きな銀歯の下に広がる炎症

経緯:他院では「再治療は難しい」と言われた

右上5番(第二小臼歯)の歯ぐきが腫れてきたため、近医を受診したところ「銀歯が大きく入っているため、治療は難しい」と説明され、当院を受診された。

  • 約15年前に治療を受けた歯である
  • 1週間ほど前に頬側の歯ぐきが腫れ始めた
  • 受診の2日前にウミがはじけて、痛みが引いた

主訴・所見:骨欠損の広がりと上顎洞粘膜の肥厚

  • 自発痛(何もしていない時の痛み):なし
  • 打診痛(歯を軽くたたいた時の痛み):あり
  • 圧痛(歯や歯ぐきを押したときの痛み):あり
  • 腫脹(歯ぐきの腫れ):あり(頬側)
  • 瘻孔(歯ぐきにできたウミの出口):なし

右上5番の初診時のレントゲン画像。歯の根の先に黒い影が大きく広がっており、骨がなくなっている様子が確認できる 初診時のレントゲン画像(図1:赤丸で根尖部の黒い影を、黄色の丸で大きな銀歯と土台を示している) 

右上5番の初診時のCT画像。銀歯の根の先に黒い影が広がり、上顎洞粘膜の肥厚が確認される 初診時のCT画像(図2:左下の画像では上顎洞粘膜の肥厚を青色で示し、右下の画像ではウミやガス(気泡)が疑われる状態を赤丸で示し、視覚的に表現した図)

▲初診時のレントゲン、CT画像

  • 歯の根の先に黒い影(骨のない部分)が広がっているのを確認
  • 黒い影は前後の歯の根にも及んでおり、広範囲にわたっていた
  • 上顎洞粘膜に肥厚を認めた(※)
  • CT画像では、黒い影の内部にさらに明瞭な黒い像が映っており、感染により生じたウミやガス(気泡)の存在が疑われた

※上顎洞粘膜が腫れると、頬の重だるさや痛みの原因となることがあるため注意が必要である

また、黒い影は複数の根にまたがる広範囲な病変であったため、歯根破折の可能性も視野に入れて慎重に診査した。しかし、明確な破折所見は認められなかったことから、歯の保存は可能と判断し、再根管治療を行う方針とした。


治療の経過:破折の可能性を考慮しながら慎重に進めた再治療

治療1回目

打診痛は軽度に確認されたが、自発痛や圧痛はなく、腫れも落ち着いていた。

症状は落ち着いているが、レントゲン所見から治療が必要であること、一時的に痛みが出る可能性があることを説明し、治療を開始した。

  • 麻酔後に被せ物を除去
  • ラバーダム(ゴム製のシート)を装着し、土台を除去
  • 隔壁を作製
  • 根管内の清掃を実施
  • 仮封を行って終了

治療2回目

処置当日は痛みがあったが、受診時には問題ない状態であり、軽度の圧痛が確認された。

  • 麻酔後にラバーダムを装着
  • 再度根管内の清掃を行い、根管充填を実施
  • 仮封後にレントゲンを撮影し状態を確認
  • 根の先からわずかに根充材が逸出していたが、根管充填は良好と判断
  • のう胞の可能性も否定できず、場合によっては外科処置が必要になる旨を説明し、経過を観察

右上5番の根管充填直後のレントゲン画像。根の先からわずかに根充材が逸出しているが、根管充填は良好と判断

▲根管充填直後のレントゲン

治療3回目

処置当日の痛みはあったものの、受診時には症状は消失していた。

  • 麻酔後、ラバーダム下でポスト(支柱)とコア(土台)を作製
  • 仮歯を作製して仮着

経過観察:3カ月・半年・2年と続いた骨の改善

右上5番の術前・根管充填直後・3か月・半年・約2年後のレントゲン画像比較。根の先の黒い影が徐々に縮小・改善していく様子を確認できる

▲レントゲンでの経過(術前、根管充填直後、根管充填後3カ月、半年、約2年)

右上5番の術前・根管充填後半年・約2年後のCT画像による経過比較。根尖の黒い影や上顎洞粘膜の改善が確認できる

▲CT画像での経過(術前、根管充填後半年、約2年)

根管充填から3カ月

  • 自覚症状なし、打診痛なし、軽度の圧痛あり
  • 根の先の黒い影が改善傾向にあることをレントゲンで確認

根管充填から半年

  • 自覚症状・打診痛・圧痛いずれもなし
  • 広範囲に広がっていた黒い影がレントゲンおよびCTにて縮小傾向であることを確認
  • 上顎洞粘膜の肥厚も改善していた
  • 仮歯を最終補綴に移行する方針を説明

根管充填から1年:(妊娠中)

  • 症状の再発なく、安定していた
  • 妊娠中のため画像撮影は控え、出産後に再評価する方針とした

根管充填から2年

  • 自覚症状なし
  • デンタルおよびCTにて黒い影のさらなる改善を確認
  • 非常に良好な経過であった

8年後の経過

術前と根管充填から約8年後のレントゲン画像比較。根尖の黒い影の改善が確認できる

▲レントゲンでの経過(術前、根管充填後約8年)

 他の歯が気になるとのことで来院された際、当該歯の再評価を実施。

  • 右上5番に症状はなし
  • レントゲンにて、初診時に存在していた黒い影は消失していた

 初診時には隣の歯の根まで及んでいた大きな黒い影が、ここまで改善していることからも、根管治療の効果と長期安定性が裏付けられた結果となった。


まとめ:再治療困難と言われた歯でも、根管治療で改善することがあります

  • 銀歯が大きく、再治療が難しいと診断された歯でも、CTやマイクロスコープを活用した精密な根管治療により改善が期待できる
  • 今回のように、広範囲の黒い影や副鼻腔への影響が疑われるケースでも、外科的処置を行わずに長期的に安定することもある

「この歯はもう抜くしかないのかも…」と不安に思っている方も、ぜひ一度ご相談ください。
精密検査のうえで、歯をできるだけ残すための選択肢をご提案させていただきます。


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✅関連記事はこちら

👉【再発した腫れの原因は?】CTで分かった分岐部の影と再根管治療の効果
 └ 分岐部の黒い影に対して再根管治療を行い、腫れが改善した症例。

👉【歯ぐきの腫れとウミが治らない】抜歯を勧められた歯を根管治療で残せた症例
 └ 抜歯と診断された歯を、ウミの原因を除去して残すことができたケース。

👉【治療したはずの歯が痛む】再発した痛みと再根管治療で改善した症例
 └ 再発した痛みに対して再治療を行い、骨の回復が得られた症例。


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📍東京都世田谷区玉川3-14-8 3F
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根管治療専門医による精密根管治療【坂上デンタルオフィス】

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【歯の根の形って1本1本ちがう?】複雑な根管に挑む専門治療の現場

「歯の根って、みんな同じ形じゃないの?」

そう思われる方は多いかもしれません。
実は、歯の根の中を通る“神経の管(根管)”の形は、1本1本異なるのが当たり前なのです。
まっすぐな根もあれば、曲がったり、複雑に枝分かれしていたりする根もあります。
根の形が違えば、治療の進め方や難易度も変わります。

当院ではCTやマイクロスコープを活用し、1本1本異なる根の形を正確に把握したうえで、丁寧な治療を行っています。

今回は、そんな“見えない部分”である歯の根の形についてご紹介します。


歯の中の「根管」って?

歯の断面図イラスト。エナメル質・象牙質・歯髄・歯肉・歯槽骨・歯根膜の位置と名称が示され、歯髄は痛みなどの刺激を脳へ伝える役割があると説明されている

歯の中には「根管」と呼ばれる細い管があり、その中に歯髄(しずい)という神経や血管を含む組織が入っています。

歯髄があることで、歯は痛みや温度変化を感じ、酸素や栄養が届けられて健康な状態が保たれます。
歯髄は歯の中心から根の先端まで伸びていて、**その通り道が「根管」**です。

むし歯が進行して歯髄に炎症が起きると、**根管内を清掃して隙間なく封鎖する「根管治療」**が必要になります。

根管はとても細かく入り組んだ形をしていることが多いため、治療には高い技術と慎重な判断が欠かせません。

👉関連記事:【歯の神経を残せるか不安な方へ】残す治療と抜く判断のポイント


歯の根は1本1本ちがうって本当?

同じ種類の歯でも、歯の根の本数や形は人によって異なります。
たとえば奥歯(大臼歯)は通常2〜3本の根がありますが、まれに4~5本あることもあります。

また、一見1本に見える根の中でも、C字状に複雑につながっているケースや、枝分かれしているケースも珍しくありません。


どんな形があるの?〜代表的な根管の形~

Vertucci分類

根管の形の基本的な分類に「Vertucci(ベルトゥッチ)分類」というものがあります。
これは、根管がどのように枝分かれし、どのようにつながっているかを8つのパターンに分けたものです。実際の歯では、この分類に収まらないようなさらに複雑な形も多く見られるため、治療前の精密な診断がとても重要です。

▼ Vertucci分類図

根管形態の分類図。Type1~Type8までの8種類の形態が図と説明付きで示されており、分岐や合流のパターンの違いがわかる


複雑な根管形態のいろいろ

歯の根の形は、Vertucci分類のような基本パターンに加えて、さらに多くの複雑な形態があります。
中には治療が難しく、根管を見逃したり、感染が残り炎症が起きたりするリスクが高まる場合もあります。
ここでは、実際の歯科治療の現場でよく遭遇する複雑な根管形態の一例をご紹介します。

▼根管形態図

根管の複雑な形態や変異を図と説明で示した一覧表。側枝・分岐・湾曲・フィン・イスムス・癒合歯など、治療上の注意点が解説されている


根の形に合わせた根管治療で、歯をできるだけ残す

歯の根の形は、一人ひとり違い、ときにはとても複雑なこともあります。
そうした見えにくい部分までしっかり診断し、その歯に合った方法で、できるだけ歯を残せるように治療を行うことが大切です。

「抜歯しかないかも…」と感じたときも、まずはCTやマイクロスコープを活用した精密な検査を受けてみませんか。治療の可能性は、診てみないと分からないこともたくさんあります。

もし気になる歯がありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。


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✅関連記事はこちら

👉【症状がないのに治療が必要?】CTで見つかった神経に近い黒い影と複雑な樋状根の治療例
└ 今回紹介した「樋状根」が見つかった実際の症例。無症状でも治療が必要になることも。

👉【左下の歯ぐきがしびれる】下顎管に近接した根尖の黒い影が改善した症例
└ 根の先が神経の近くにあるうえ、大きく曲がっている難しいケース

👉【初診ってそんなに時間がかかるの?】丁寧な診断と納得できる治療のために


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【2025年8月の診療カレンダー】変則診療日にご注意ください

こんにちは。

世田谷区・二子玉川で根管治療を専門に行っている坂上デンタルオフィスです。

蒸し暑い日が続きますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
坂上デンタルオフィスでは、8月も通常通り診療を行っておりますが、月曜日の休診日が多く、また一部診療時間が変更となる日がございます
ご予約やご来院の際は、下記の診療カレンダーをご確認ください。


📅 2025年8月 診療カレンダー

2025年8月の診療カレンダーと休診日一覧(坂上デンタルオフィス)

✅ 休診日:

  • 8月3日(日)
  • 8月4日(月)
  • 8月7日(木)
  • 8月11日(月・祝)山の日
  • 8月14日(木)
  • 8月18日(月)
  • 8月21日(木)
  • 8月28日(木)

⏰ 変則診療日:

  • 8月2日(土)
  • 8月31日(日)
    午前のみ診療(9:30~14:00)/午後は休診(15:00~18:00)

※予定は変更になる場合がございます。詳細はお問い合わせください。

📞 お電話について

診療時間は、9:30~14:00、15:00~18:00となっており、
昼休み(14:00~15:00)にはご対応できませんのでご注意ください。
ご不便をおかけいたしますが、何卒ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。

☎️ 休診日のお電話について

休診日はお電話がつながりません。
お手数ではございますが、留守番電話にメッセージを残していただくか、
翌診療日にお掛け直しくださいますようお願いいたします。
メッセージは診療再開後に順次確認・対応いたします。


📅前月の診療カレンダーはこちら

👉 【2025年7月の診療カレンダー】臨時休診にご注意を


👉 初診のご予約はこちらから

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【治療したはずの歯が痛む】再発した痛みと再根管治療で改善した症例

世田谷区・二子玉川で根管治療を専門に行っている坂上デンタルオフィスの坂上斉です。

今回ご紹介するのは、過去に根管治療を2回受けたと考えられる歯に再び痛みが生じ、当院での根管治療によって改善が得られた症例です。

「数年前に治療した歯がまた痛み出した」
「一度治療しているのに、まだ悪くなるの?」

このようなご不安をお持ちの方に、再根管治療による改善例をご紹介いたします。


初診時の状態:経緯と再発した痛みの原因

経緯

左下6番(第一大臼歯)の歯ぐきに腫れを感じ、他院で根管治療を行ったのが一カ月前。
この時の処置は、少なくとも2回目の根管治療と考えられます。
その後も、

  • 夜間にズキズキと痛む
  • 硬いものを噛むことができない

といった症状が続き、当院を受診されました。
治療直後だったため、「炎症が落ち着いてくる可能性がある」と判断し、この時点では経過観察としました。

しかし、2年が経ち、再び痛みが気になるようになり、近隣の歯科医院で抗生剤を処方されて一時的に症状は軽快。「専門医で診てもらったほうが良い」とお話しがあり、再度当院を受診されました。

主訴・所見

  • 自発痛(何もしていない時の痛み):なし
  • 打診痛(歯を軽くたたいた時の痛み):なし
  • 腫れ:なし

初診時に撮影されたレントゲン画像、左下6番の根尖の黒い影が確認できる 初診時のレントゲン画像(図1:根尖の黒い影を赤丸で示したもの)
▲初診時のレントゲン画像

初診時のCT画像、左下6番の根尖に黒い影が認められる
▲初診時のCT画像

レントゲンおよびCTでは、歯の根の先に黒い影(骨がない部分)が確認されました。
また、根管の形態が不整で、根管内の処置が不十分だった可能性も考えられました。
これらの所見から、感染が残っていたことにより炎症が生じ、それが痛みの原因となっていると判断し、再根管治療を行う方針となりました。


治療の経過:再根管治療の処置内容

治療1回目

痛みはない状態でした。

  • 今後の処置に備えて仮歯の型取りを実施
  • 麻酔後、被せ物を除去
  • ラバーダム(ゴム製のシート)を装着し、土台を除去
  • 隔壁作製
  • 仮歯を作製、仮着

治療2回目

仮歯の状態は良好で、痛みもありませんでした。

  • 麻酔後、ラバーダムを装着し、根管内の清掃
  • 治療後は仮封、仮歯を再度仮着

治療3回目

前回の治療後、10日ほど痛みが続き、1週間は食事がしづらかったとのことでした。

  • 麻酔後、ラバーダム下で根管内の最終的な清掃と根管充填を実施
  • レントゲンで状態を確認し、仮封・仮歯で終了

左下6番の根管充填直後のレントゲン画像。根管内が適切に充填されている様子が確認できる
▲根管充填直後のレントゲン画像(根管充填は良好に行えました)

治療4回目

処置後、2日ほど軽い痛みがありました。

  • 麻酔後、ラバーダム下で、ポスト(支柱)とコア(土台)を作製
  • 仮歯の形を修正して、再度仮着

経過観察:レントゲン・CTでの変化

左下6番の術前・根管充填直後・3カ月・半年・2年後のレントゲン画像比較。黒い影の改善が時系列で確認できる
▲レントゲンでの経過
(術前、根管充填直後、根管充填後3カ月、根管充填後半年、根管充填後約2年)

左下6番の術前と根管充填後半年のCT比較画像。根尖の黒い影が改善字ている様子が確認される
▲CT画像での経過(術前、根管充填後半年)

根管充填から3カ月後

  • 痛みなし、食事も問題なくできている
  • レントゲンでは根の先の影に大きな変化は見られず、経過観察

根管充填から6カ月後

  • 数カ月前に軽い痛みがあったが、現在は問題なし
  • レントゲン、CTを撮影し、骨の回復傾向を確認
  • 経過が良好なため、かかりつけ歯科で被せ物の最終処置を依頼

根管充填から約2年後

別の歯の症状があり、ご来院されましたが、左下6番に症状や異常はなし。

  • レントゲンで確認したところ、さらに骨の改善が見られました。

まとめ:治療した歯でも再治療で改善できることがあります

複数回根管治療を受けた歯でも、処置が不十分な場合や根の形が複雑な場合には、炎症が再発することがあります。
今回のように、治療歴がある歯でも、再根管治療によって改善が得られるケースは少なくありません。
CTやマイクロスコープを活用しながら、根管内の感染源を的確に除去し、丁寧な処置を行うことで、骨の回復も期待できます。

  • 「治療した歯がまた痛む」
  • 「違和感があるけど大丈夫かな?」

と不安を感じる方は、放置せずに早めのご相談をおすすめします。


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✅関連記事はこちら
過去に治療した歯の痛みが再発するケースについては、こちらの症例も参考になります:

👉 【歯ぐきの腫れとウミが治らない】抜歯を勧められた歯を根管治療で残せた症例

👉 【再発した腫れの原因は?】CTで分かった分岐部の影と再根管治療の効果


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【2025年7月の診療カレンダー】臨時休診にご注意を

こんにちは。

世田谷区・二子玉川で根管治療を専門に行っている坂上デンタルオフィスです。

本日は、**2025年7月の診療スケジュール(休診日)**についてご案内いたします。
今月は通常の休診日に加えて、金曜・土曜・日曜の臨時休診がございます。ご来院・ご予約の際は、下記カレンダーをご確認ください。


📅2025年7月診療カレンダー

2025年7月の診療カレンダーと休診日一覧(坂上デンタルオフィス)

✅ 休診日:

  • 木曜:毎週休診(7月3日、10日、17日、24日、31日)
  • 月曜:7月7日、7月21日(海の日) (隔週での休診)
  • 臨時休診:7月18日(金)、7月19日(土)、7月20日(日)

⏰ 変則診療日:

  • 7月6日(日)
    午前のみ診療(9:30~14:00)/午後は休診(15:00~18:00)

※予定は変更になる場合がございます。詳細はお問合せください。

📞お電話について

診療時間は、9:30~14:00、15:00~18:00となっており、
昼休み(14:00~15:00)にはご対応できませんのでご注意ください。
ご不便をおかけいたしますが、何卒ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。

☎️休診期間中のお電話について

7月17日(木)~21日(月)は休診期間となり、お電話は繋がりません。

お手数ではございますが、留守番電話にメッセージを残していただくか、
7月22日(火)以降にお掛け直しくださいますようお願いいたします。
休診期間中に頂戴したお問合せにつきましては、7月22日より順次対応いたします。


📅前月の診療カレンダーはこちら

👉 【2025年6月の診療カレンダー】臨時休診にご注意を


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【初診ってそんなに時間がかかるの?】丁寧な診断と納得できる治療のために

「初診って、そんなに時間がかかるものなんですか?」

ときどき、そんなご質問をいただきます。
坂上デンタルオフィスでは、初診に約60分のお時間をいただいています。

なぜそこまで時間をかけるのか――
その理由は、**「正確な診断」と「納得のいく治療」**を行うためです。


痛みの原因を、根本から見極めるために

歯科用CT(ベラビューX800)の外観。立体的な画像診断が可能な高性能装置

当院を受診される方の多くは、「ずっと治らなかった痛み」や「他院では難しいと言われた治療」など、根管治療を必要とする複雑な症例を抱えて来院されます。
そうした症例では、単にレントゲンを撮るだけでは原因が分からないことも少なくありません。そこで、歯科用CTやマイクロスコープを用いた検査を行い、歯の状態を多角的に把握します。必要に応じて、これまでの治療経過や痛みの出方なども詳しくお聞きし、総合的に診断を行います。


納得できる説明と治療計画を

診査後は、治療内容や通院回数、費用の見通しなどをできるだけ分かりやすく丁寧にご説明します。
とくに当院のような自費診療の場合、費用や通院の負担も少なくありません。だからこそ、治療を始める前に、しっかりと情報を提供し、患者様ご自身が「この治療を受けよう」と納得して選べることを大切にしています。
どんなに技術的に優れた治療でも、患者様が不安を感じたままであったり、その内容に納得していなかったりすれば、良い結果にはつながりません。


初診から、治療後まで一貫したフォローを

当院では、初診から治療、経過観察まで一貫して一人の歯科医師が担当します。
「歯を残したい」「痛みをとにかく取りたい」「過去の治療が怖かった」など、患者様の不安やご希望を正確に把握することが、のちの治療においても非常に大きな意味を持ちます。
そうしたお声をじっくりとお聞きできる時間にしたいと考えています。
「一刻も早く治したい」というお気持ちにも寄り添いながら、正確な診断なくして、的確な治療はできないというのが当院の考えです。


坂上デンタルオフィスでは、初診の時間を大切にし、精密な診査・診断にもとづいた丁寧な治療を提供しています。不安や疑問、これまでのご経験など、どんなことでも遠慮なくお話しください。


👉初診予約の流れはこちら

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【2025年6月の診療カレンダー】臨時休診にご注意を

こんにちは。

世田谷区・二子玉川で根管治療を専門に行っている坂上デンタルオフィスです。

本日は、2025年6月の診療スケジュール(休診日)についてご案内いたします。


今月は通常の休診日に加えて、金曜・土曜の臨時休診や日曜午後の診療変更がございます。ご来院・ご予約の際は、下記カレンダーをご確認ください。

📅 2025年6月 診療カレンダー

2025年6月の診療カレンダーと休診日一覧(坂上デンタルオフィス)

✅ 休診日:

• 月曜: 6月9日、6月23日(隔週での休診)

• 木曜: 毎週休診(6月5日、12日、19日、26日)

• 臨時休診: 6月6日(金)、6月20日(金)、6月21日(土)

• 午後休診: 6月29日(日) ※午前(9:30~14:00)は診療

※予定は変更になる場合がございます。詳細はお問い合わせください。

📞 お電話について

診療時間は、9:30~14:00、15:00~18:00となっており、

昼休み(14:00~15:00)にはご対応できませんのでご注意ください。

ご不便をおかけいたしますが、何卒ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。


📅前月の診療カレンダーはこちら

👉 【2025年5月の診療カレンダー】GW中の休診と電話対応にもご注意ください

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【以前詰めた歯がしみる】 深いむし歯でも神経を残すことができた歯髄保存の成功例

世田谷区・二子玉川で根管治療を専門に行っている坂上デンタルオフィスの坂上斉です。

今回は、「しみる感じがある」という訴えから、むし歯が深く神経に非常に近接していた歯に対して歯髄保存処置(神経を残す治療)を行い、最終的に神経を取らずに済んだ成功症例をご紹介します。

当初は、神経が露出するほど深くむし歯が進行していましたが、適切な診断と断髄処置、そして経過観察を重ねることで、処置から1年後も神経は生きたまま機能しており、良好な結果が得られました。


初診時の状態:詰めた歯がしみる

患者さんは、当院で別の歯の治療を受けていた際に、「右上6番がしみる感じがある」とご相談されました。レントゲン撮影を行うと、右上6番の遠心部(奥側)にある古い詰め物(コンポジットレジン:CR)の下でむし歯が進行しており、神経(歯髄)に非常に近い位置に達していることが確認されました。

初診時の右上6番のレントゲン画像。過去のコンポジットレジンの下でむし歯が進行し、神経に接近している状態。 初診時の右上6番のレントゲン画像(図1)。むし歯が神経に非常に近接している歯を赤い矢印で示している。

▲ 初診時のレントゲン(右上6番)
過去のCR下でむし歯が進行し、神経にかなり接近している状態です。

この段階では右上6番に明らかな症状は見られませんでしたが、むし歯が深く、治療中に神経に近づく、または露髄する可能性が高いと判断されました。
また、処置後に症状が出てくる可能性があることもあわせてご説明し、患者さんには内容をご理解いただいたうえで治療を開始しました。


処置:露髄に対して断髄処置を選択

数週間後、麻酔を行ったうえで治療を開始。旧CRを除去し、むし歯を慎重に取り除いていくと、歯髄の一部が露出(露髄)しました。この時点でラバーダム(ゴムのシート)を使用して感染を防ぎながら、断髄処置(歯髄の一部を取り除いて残りを保存する方法)を実施しました。

MTAセメント(神経を保護・封鎖する薬剤)とBCライナー(神経を刺激から守る保護材)を使用し、神経を封鎖。その後CR充填にて修復を行いました。

露髄部に対してMTAセメントとBCライナーで封鎖した歯髄保存処置直後のレントゲン画像。

▲ 断髄処置後のレントゲン
露髄部を適切に処置し、MTAセメント+BCライナーで神経を保護しました。


処置後の経過観察:神経の生存と歯の状態

約3週間後

  • 「温かいものでしみる」「少し腫れていた」などの訴えあり
    → 安静時の痛みはなく、歯髄反応も正常だったため、経過良好と判断
    → CR再充填と咬合調整を行い、様子を見ました

約4か月後

  • 「食事の時に違和感がある」「冷風で一瞬しみる」
    → レントゲンで異常所見なし、軽度症状として経過観察継続

歯髄保存処置から約4か月後のレントゲン画像。歯根や根尖部に異常はなく、歯髄の状態も安定している。

▲ 処置から約4か月後のレントゲン
歯根や根尖部に異常は見られず、歯髄の状態も安定していました。

約6か月後

  • 「たまに噛んだときに違和感」「冷風痛が少しある」
    → 強い症状や悪化はなく、レントゲンも異常なし。引き続き慎重に経過観察。

歯髄保存処置から6か月後のレントゲン画像。症状は落ち着いており、歯髄が機能を保っていることが確認できる。

▲ 処置後6か月のレントゲン
経過は安定しており、歯髄が機能を保っていることが示唆されます。

約1年後

  • 「しみる感じはない」「噛んでも痛くない」との報告
    → 神経が生きたまま安定していることを確認し、処置成功と判断

歯髄保存処置から約1年後のレントゲン画像。根尖部に異常所見はなく、歯髄保存が良好に維持されていることがわかる。

▲ 処置から約1年後のレントゲン
根尖部にも異常所見はなく、歯髄保存が良好に維持されていることがわかります。


まとめ:早期発見・適切な処置・丁寧な経過観察で神経を守る

今回の症例では、以前に詰めたCR(コンポジットレジン)の下でむし歯が進行していたものの、露髄した神経に対して迅速に断髄処置を行い、歯髄を保存することができました。
処置直後はしみる・違和感などの軽度な症状がみられる時期もありましたが、慎重に経過を観察しながら対応を続けたことで、最終的には痛みもなく、神経を残したまま安定した状態を保てています。

歯髄保存処置の成功には、適切な診断と処置はもちろん、その後の丁寧な経過観察が不可欠です。
神経が生きている歯であっても、時間とともに状態が変化することもあるため、治療の有無にかかわらず、定期的なレントゲン検査を通じて状態を確認することがとても大切です。

当院では、精密な診査・診断に基づいた処置と、その後の経過管理を重視し、可能な限り歯の神経を残す治療を大切にしています。
むし歯や歯の違和感など、気になる症状がある場合は、お早めにご相談ください。

👉 初診の流れを見る
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👉 「歯の神経を抜く」とは?
👉 根管治療とは


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【2025年5月の診療カレンダー】GW中の休診と電話対応にもご注意ください

こんにちは。坂上デンタルオフィスです。

新年度が始まり、少しずつ暖かい日も増えてきました。

本日は、2025年5月の診療カレンダーと休診日についてご案内いたします。

診療日や休診日が一目でわかる5月の診療カレンダーを下記に掲載しておりますので、ご来院の際のご参考にしてください。

📅2025年5月 診療カレンダー

2025年5月の診療カレンダーと休診日一覧(坂上デンタルオフィス)

✅休診日:

  • 月曜:5月5日、12日、26日(※19日(月)は診察あり
  • 木曜:1日、8日、15日、22日、29日
  • 祝日:5月3日(土)、4日(日)、6日(火)
  • 臨時休診:5月2日(金)、24日(土)

※予定は変更になる場合がございます。詳細はお問い合わせください。

📞休診期間中のお電話について

5月1日(木)~6日(火)は休診期間となり、お電話は繋がりません。

お手数ではございますが、留守番電話にメッセージを残していただくか、5月7日(水)以降にお掛け直しくださいますようお願いいたします。

休診期間中に頂戴したお問い合わせにつきましては、5月7日より順次対応いたします。

診療時間は、9:30~14:00、15:00~18:00となっており、昼休みの時間帯(14:00~15:00)にはご対応できませんのでご注意ください。

ご不便をおかけいたしますが、何卒ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。

どうぞ皆さま、体調に気をつけて、穏やかなゴールデンウィークをお過ごしください。


📅前月の診療カレンダーはこちら👉 【2025年4月・5月の休診日について】


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【左下の歯ぐきがしびれる】下顎管に近接した根尖の黒い影が改善した症例

こんにちは。
世田谷区・二子玉川で根管治療を専門に行っている坂上デンタルオフィスの坂上斉です。

今回は、「左下の歯ぐきがしびれる」という症状でご来院された患者様の症例をご紹介します。

前回の「【症状がないのに治療が必要?】CTで見つかった神経に近い黒い影と複雑な樋状根の治療例」では、下顎管(神経の通り道)に近接した根尖部の黒い影(骨がない部分)が見つかったケースをご紹介しましたが、今回は実際にしびれの症状が出ていたケースです。

「下顎管」と聞くと親知らずの抜歯を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、実はそれ以外の歯でも、CTを用いた正確な診断と慎重な根管治療によって、症状の改善が期待できるケースがあります。

本症例では、マイクロスコープ下で慎重に根管治療を行い、しびれの改善と炎症の消退が確認されました。


初診時の状態:歯ぐきのしびれが起きたときの状態とは?

患者様は、左下7番(第二大臼歯)に噛んだときの痛みと、歯ぐきや唇・顎の皮膚のしびれを感じているとのことで、紹介元の歯科医院から当院を受診されました。

CT検査では、歯の根の先に黒い影(骨がない部分)があり、それが下顎管に非常に近接していることが確認されました。


検査と診断:CTでわかった根尖病変と下歯槽神経との距離

  • 自発痛:なし
  • 打診痛:軽度
  • 圧痛・腫れ:なし
  • レントゲン所見:根尖に黒い影
  • CT所見:黒い影が下歯槽神経(下顎の歯や歯肉、唇などを支配する感覚神経)を通す下顎管に近接
  • 根管形態:未処置、2根管で強い湾曲あり

術前のレントゲン画像:左下の奥歯に根尖の黒い影が確認される 図1:根管がくの字に湾曲している様子を赤いラインで示したレントゲン画像

術前CT画像:左下の歯の根の先に黒い影があり、下顎管に近接していることがわかる」 図2:CT画像で下顎管(黄色)と根尖の黒い影(青色)の位置関係を示した画像


治療方針とリスク説明:しびれの改善を目指した根管治療と注意点

根尖部の黒い影が下顎管に近接しているため、治療による神経への影響を最小限に抑えることが最も重要と判断しました。

また、根管治療を行っても「しびれの症状が必ずしも回復するとは限らない」という点についても、あらかじめ十分にご説明し、同意のうえで治療を開始しました。


治療経過

▶ 第1回目の治療

銀歯を外し、ラバーダム防湿下でむし歯を丁寧に除去し、根管治療の準備として隔壁を作製しました。

根管内の清掃では、根管の大きな湾曲に注意しながら以下の点に留意して処置を行いました。

  • 細い器具を使用して、無理なく根の先まで到達できるようにグライドパス(器具の通り道)を確立
  • 柔軟性のあるNiTi(ニッケルチタン)ファイルを用い、根のカーブに沿って慎重に拡大
  • 根管の形態を壊さないように、一度に大きく削らず、少しずつ段階的に処置

▶ 第2回目の治療

来院時、「しびれが少しずつ軽くなってきた」とのことでした。

根管内の清掃を引き続き丁寧に行い、その後、慎重に根管充填を行いました。
その後、ポスト・コア(支台築造)を実施しています。
根管充填時に少量のシーラー(根管充填材)が根尖部から漏出しましたが、痛みなどの症状は認められなかったため、経過観察としました。

第3回目の治療

治療開始時に訴えのあったしびれと痛みはほぼ消失しており、症状は大きく改善していました。
支台の形態を整え、仮歯を装着して治療を終了しました。

根管治療に伴う左下奥歯の治療経過:銀歯除去から仮封、ポスト・コア築造、仮歯装着までの4段階の比較写真


経過観察:治療後のしびれの変化とCT画像の変化

  • 根管充填後3カ月:痛み・しびれともに消失。レントゲン画像は大きな変化なく、経過観察。
  • 根管充填後6カ月:痛みなく食事できる。レントゲンとCTで黒い影の縮小と**下顎管からの距離の回復(骨再生の兆候)**を確認

根管治療による黒い影の変化を示したデンタルX線画像:術前・根管充填後・3カ月後・半年後の比較

CT画像による根尖病変の変化比較:術前と根管充填後半年、黒い影の縮小が確認される


まとめ:しびれが改善した神経に近接した歯の治療例

今回のケースでは、治療開始時に見られた歯ぐきや唇のしびれが、根管治療の経過とともに徐々に軽減し、最終的には痛みもなく快適に食事ができる状態まで回復しました。

しびれの原因は、歯の根の先にあった炎症(根尖病変)が、下顎の神経(下歯槽神経)に近接していたことによるものと考えられますが、的確な診査・診断と慎重な処置を重ねることで、神経症状の改善が期待できるということを、あらためて確認できた症例でした。

なお、根管治療後の回復には個人差があり、すべてのケースで同様の結果が得られるとは限りませんが、気になる症状や違和感がある場合には、できるだけ早めに専門的な診察を受けることをおすすめします。

不安なことがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。


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当院ではCT診断やマイクロスコープを活用した精密な根管治療を、すべて自由診療にて行っています。
治療費用について詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
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